歯科医院の院長と話していると、多くの方が同じ悩みを抱えています。
「売上が下がるのが怖い」
「経費を使うのが不安」
これらは一見、経営の悩みとして正しいように見えますが、実はもっと根深い問題があります。
私は 歯科専門税理士・コンサルタント、そして幼稚園経営者 として、
日々、数字分析と人材育成の両面から経営を支援していますが…
院長が本当に恐れているのは「売上の減少」ではありません。
もっと怖い“本質”が別にあります。
■ 売上があっても事業は止まる──院長が見落とす本当のリスク
多くの院長はこう考えています。
「売上が下がったら危ない」
「経費を増やしたくない」
しかし、医院が倒れる理由は別です。
それは “お金が尽きること”。
売上が高くても、
・支払いが重なる
・投資のタイミングを誤る
・キャッシュフローが見えていない
こうした状況が積み重なれば、医院は急速に体力を失います。
実際に Google で院長が検索するキーワードを見ると、
「お金が残らない原因」
「歯科医院 キャッシュフロー 改善」
「経費 いつまで使える?」
といった“資金繰りの不安”が圧倒的に多いのも納得です。
■ なぜ院長は「お金を使うのが怖い」のか?
結論はとてもシンプルです。
“どれくらいお金を使っていいのか分からない”から。
基準がないと、すべての支出が「危険」に見えます。
すると、必要な投資もできなくなり、医院の成長は止まります。
逆に──
「使っていい金額」さえ明確になれば、恐怖は自然と消えます。
では、どうすればその金額が分かるのか?
■ 院長の不安を消す最強の方法:逆算するだけ
答えはひとつ。
お金の計算は“逆算”から始める。
-
まず、1年間で残したい金額を決める
(将来の投資・生活費・内部留保など) -
次に、税金の支払い・借入返済を考慮する
-
そこから、医院に必要な年間利益を求める
こうして算出すると、
「ここまでなら使っても安全」という金額が明確になる
これだけで、
・支出の不安
・投資判断の迷い
・売上が落ちたときの恐怖
これらが目に見えて減っていきます。
院長が求めていたのは“売上アップ”ではなく、
実は 安心してお金を使える状態 なのです。
■ 逆算できる院長は、お金を増やすスピードが速い
逆算思考があると、
・どこに投資すべきか
・どこを削るべきか
・どれだけリスクを取れるか
がクリアに分かります。
結果として、
「お金を使ってお金を増やす」
という本来の経営が可能になります。
逆に逆算ができないと、
勘で支出を決めてしまい、
・必要な投資を避ける
・改善すべき部分を削る
という“逆効果の行動”をしてしまいます。
■ まとめ:数字は院長を守る“武器”になる
院長が感じる不安の正体は、
「お金の動きが見えていないこと」です。
逆算を取り入れることで、
・使っていい金額
・守るべきお金
・増やせるお金
が明確になります。
売上が下がることよりも、逆算をしない方が危険です。
数字を味方につければ、
お金への恐怖は消え、正しい投資ができるようになります。
あなたの医院は、
“お金を残すための逆算”ができていますか?




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