経営に関する視野の広さ

何を見るのか

今見ているものは何でしょうか。おそらく、このレポートの文字ですね。
文字を見て読むとき周りのものはほとんど見えていない状況だと思います。多少動きが目に入るくらいでしょう。
仕事や読書、テレビ等、何かに集中しているときは、その対象物以外のものは視界から外れてしまいます。
場合によっては、視界だけでなく周りの声さえも届かないこともあると思います。
それだけ集中できることはとてもすごいことです。

一方で、集中するあまり、自分のことだけになってしまいます。
要するに、周りのことに気が付かない状態です。時にはそういう状態も必要でしょうが、
全体を見渡した上での集中力があると、視野の広狭を操れるようになれると思います。
そうは言っても、集中しだすと視野が狭くなってしまうのは仕方のないことだと思います。

“どこ”を見ているのか?

広い視野を持ちながら仕事をする上で必要なことはたくさんあると思います。
私が思う必要なことの一つは、どこを見ているのか、
要するに、何のためにしているのか、という意識を持つことです。

多くの場合、自社の売上・利益向上のため、という理由に行き着くと思いますが、
その理由に行き着く道中には、お客様のため、という理由があると思います。お客様が喜ぶにはどうしたらいいのか、と思うはずです。

かつて私が銀行員だったころ、銀行というお堅いイメージがありますが、
それを払拭するにはどうすればいいのかと考えていました。
なぜそんなことを考えていたのかというと、お金を扱うプロとして、
資産運用やお金に関する相談をしやすい空気を作り出すことで
お客様から必要とされる銀行員になりたいと思ったからです。

人にはそれぞれの人生があります。
銀行という職業柄、お金を通じてたくさんの人生背景を伺ってきました。
自分に何ができるかを考えて、お金に関する相談事を解決できるようになりたい、
その前に、相談事を引き出せる空気感を作ろうと思ったのです。
そして、まずは職場内でそういう空気感が出せるようにしようと思ました。
一番身近の人たちとの関係性を作っておくことで
自分が困ったときに助けてもらおうという超打算的思考です。

結果として、窓口に来たお客様が何度も来店してくださるようになったり、
初めて来店されたお客様が投資信託の申し込みをしてくださったりと、
ある程度の成果が生まれました。

しかし、その前は全然うまくいかなかったです。
それでも続けられたのは、職場の人たちに相談できたことが大きかったです。
もっと言えば、職場の人たちに気かけてもらえる環境を作れたことが最大の要因だったのかなと思います。

目の前、だけじゃない

私の事例がいいかどうかは置いておいて、目の前のことに集中するのもいいのですが、
自分をとりまく環境をどう作っていくかという視点も大事になると思います。

よく、仕事は段取り8分といいますが、この考え方の応用をすると、
自分の仕事のための環境づくりが『段取り』なのかもしれません。

全ての仕事は自分一人の仕事で成り立っているわけではありません。
周りの人がいるから自分の目の前の仕事に集中できるのです。
さらに自分の仕事に集中できるように環境を整えるには、視野を広げてみてはいかがでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です